ぼくの脳内

ぼくの脳内を言語化してみた

無力さ

 例によって、過去を回想していたわけだ。あまり、部活のことは思い出したくなかったのだが、文書として保存しておいたほうが良いかなと思ったので、ここに記す。

 うちの部活でも、合宿というものはあったわけだが、基本的に顧問の介入は無く、後輩の統制もすべて上級生が行わなければならない。
 一番の問題になったのが、スマホの管理についてだ。
 高校生は自分で管理が出来るが、中学生については集まってゲームをする傾向にあるという現実だったため、このままでは部活が崩壊する。
 そこで、音楽部ということもあったので、「音源の鑑賞のみ許可し、それ以外での利用は禁止する。」とした。

 しかし、問題は初日に起こった。そう、さっそくルールを破ったガキが現れたのだ。

 即没収しようとしたが、向こうから肉体的に抵抗された。

 そして、俺はどうしたか。

 彼から没収することを諦めた。

 

 色々な心情があった。彼のあんな顔を見たことが無かった。それに対する恐怖。そして、呆れの気持ちもあったのだろう。
 そんなにスマホが大事なら、もう好きにしろと思ったのかもしれない。合宿初日から絶望のスタートを切ったように思う。
 

 俺はあの時どういう行動を取ればよかったのだろう。

 正直言って、彼の自由にさせておくので良いのではないかと思った。もちろん、共同体としては最悪だ。それを統制していかなければならないのも分かる。
 しかしながら、このルール自体、曖昧なものが多く、こちらがいくら罰を与えたとしても、彼が根本から更生するとも思えない。
 やる気のないやつに対して、強制的な教育をする義務もないかなと思ったわけだ。部活とは、そもそも生徒が自主的に集まる(はず)のものなのだから。

 だから、俺はこれを無力とは捉えなくない。しかし、俺はそのルールに対して、義務を怠った。嫌われたくない八方美人の性格が出たかもしれない。穏便に済ませようという。しかし、これは自分の実力不足に他ならないわけだ。

 本当に共同体にいると、ろくなことが無い。
 やはり一人でいるのが一番楽なのかもしれないが、苦労した分だけ、後でかみしめるたびに味が出てくるというのも一理ある。

 とにかく、今回の経験から、自分は押しに弱い人間であることを再確認した。もっと、自分に核心的な何かが持てていれば・・・。と常に思う。

 やはり、俺は何かに向き合っているようで、ちゃんとは向き合えてないみたいだ。

 そういうところが、俺の無力さを生むのかも。