ぼくの脳内

ぼくの脳内を言語化してみた

嘘恋愛者の独白

 この二か月間、恋愛に近い(恋愛)'をしてきた。その感想と言ったところか。

 

 社会的には良しとされない、あるいは自分を客観視したときに心が痛むような、そんな自分の人間性を疑うような一面を、彼女を鏡として見ることが出来た。

 

 どこぞの東京大学医学部の人間が、女性に中絶を迫ったりだとかいう報道もあるが、やはり受験勉強ばかりしている人間というのは、どこか倫理観に欠けるところがあるのかもしれない。

 しかし、そんなものの所為にもしてはならないのである。

 

 今回で学んだことを糧に、今後自分が人に対して誠実に接するきっかけになれればと思う。もっとも、人はそう簡単に変わることはないと思ってしまうのだが。

 

 

 さて、まあ簡単に言えば俺は2人の人間と同時に(恋人)'としての関係を持っていた。要は浮気である。

 ここで恋人にダッシュがついているのは、オンライン上での恋愛めいた何かであるからだ。

 お互いの寂しさを埋めるだけの存在であるからだ。

 

 どこから話せばよいのだろう。

 

 やはりオンラインでの人間関係というのは難しいもので、いつでも関係を切ることが出来る、あるいは作ることが出来るという比熱の低さに起因するトラブルはつきものなのだと思う。

 すぐに疎遠になることをはじめ、酷いときだとその匿名性を利用した暴言なども後を絶たないのが現状だ。

 

 それが俺にとっては、(恋愛)'でも同じことだった。

 オンラインは、ただ自分の寂しさを埋めるための人間関係を構築すればいい。ただ自分が話したいときに話して。好きだよって言って、自分の中にぽっかり空いた穴を埋めた風を装って。それに満足して少しでも元気を出そうって。

 でも、それに段々依存している自分もいて。いつでもそこから抜け出せるからいいやって思って、いつの間にかズブズブになっているときもあって。なんかもう良いかなって思って、彼女を本当に彼女だと思い込みたくなる時もあったりして。それでも結局、自分が寂しくなったら他の人に関係を求めに行って。

 よく分からない、世間的に、彼女から見ても薄情なことをしていたのが自分である。

 

 要は自分は、自分のことしか考えていないわけだ。でもそれは当たり前。だって、自分がオンラインに求めるスタンスがそうだから。

 オンラインは、現実でのいざこざからの解放を求めている。そこに遠慮はいらない。そう思っていたのだ。

 現実は、他者への配慮・思いやりが必要だ。それがあって社会は成り立っている。でも、インターネットの世界に、現実のものほど他者を気にする必要はないのだと思う。一定の秩序・ルールは必要だけど。

 自分の言いたいことを言って、自分のやりたいようにやって。

 そのスタンスが自分には合った。だから、彼女との間に齟齬が出来てしまったのだ。

 

 自分でもそれを自覚したくなかったのだろう。彼女とのズレがあることに。彼女と別れてしまうことに。だって、自己中心なんだもん。

 だから自分たちの関係を曖昧にしてきた。俺たちは会うまでは友達だよねってことにしておいて。それまではなんとなーく、恋人チックなことをしてきたわけだ。

 曖昧なことは、日本人の美学的な側面もあるが、いざ大事なことについても曖昧でいられたらたまったものではないだろう。

 

 この段落を書いてから、自分の考え方がはっきりしたよ。ありがとう。

 

 初めからなにも変わってなかったんだな。俺は。

 てっきり、俺はクズ人間なのだとばかり思っていた。しかし、それはオンラインでの人間関係のスタンスによるものだったのだ。

 希薄な関係だからこその良いところがあった。それが好きでオンラインで人間関係を構築していた。友達作りをしていた。

 でも、恋愛はやっぱり一味違うのだなと。

 すぐに他の人間に手を出すことは許されないのだなと。

 というか、やっぱりこれは恋愛ごっこだったのだなと。

 

 でも、彼女にとってはそうではなかったのだ。

 彼女は真剣だった。俺のことを好きでいてくれた。だからこそ、最後は俺に激しく想いをぶつけてくれた。俺の人間性の否定と共に。

 

 本当にありがとう。そして、ごめん。

 おかげで、ふたをしていた想いに気づくことが出来た。

 

 オンラインでは自分は自己中心的である。相手を思いやる余裕なんてないのだ。

 

 しかし、恐れてしまうのは、その心が現実にも拡張されるのではあるまいかということだ。

 

 オンラインと現実の人間関係で異なるのは、その比熱の大きさ。

 つまり、人間関係を構築しやすいかどうかである。

 オンラインでは温まりやすく冷めやすい。現実では温まりにくく冷めにくい。

 そんな人間関係の在り方だと思っているから、自分は現実での人間関係の構築には問題は生じないと思っている。

 だって、仮に恋人を作ったとしても、人間関係を新たに作るのは難しいからだ。浮気をするのは難しいからだ。

 

 じゃあもし、キミが誰かに誘惑されたら浮気しちゃうんじゃないの?

 

 そう言われてしまったら、言葉に一瞬詰まってしまう。

 でもそこにも現実とオンラインの大きな違いである匿名性が絡んでくる。

 恋愛はもはや社会的な事象である結婚にもつながってくる。それに関わることでトラブルを起こしてしまっても仕方がない。

 

 自分は本当に何がしたいのかを考えるとキリがない。

 でも、結局は自分を愛してくれる人間の存在、そしてその人を同じだけ愛することが出来る自分の存在なのだと思う。

 現実ではそういう関係を求めるだろう。

 オンラインではなぜそれが出来ないのか。それは、オンラインには現実味がないからである。とにかく希薄でしょうがないのである。その不安定感が自分を不安にする。画面の向こうで何が起こっているのか分からない。

 だから、自分が十分にのめりこむことが出来ないのである。

 

 恋愛は本来は視覚・聴覚・触覚も込みで感じるものだ。もちろん嗅覚だって味覚だってあって構わない。

 そこに実感が伴うものなのだ。

 

 さて、あらかた自分の考えがまとまったところで結論に移ろうと思う。

 

 オンラインでの人間関係を今後どうするのかというところだが、まず上記のスタンスを自覚し、それを相手に理解してもらう・あるいはもはや別れを求めるの二択になるだろう。

 正直、相手に分かってもらうというのも甘えなような気もするが、もしも利害関係が一致していた時はなんら問題はないわけである。だから、それはそれとしておくことにする。

 

 そして、現実の世界ではオンラインのようなことが起こらぬよう、今一度自分が相手の気持ちを考えることが出来ているのかをきちんとreflectする必要がある。

 

 この声は彼女には届いていないと思う。でも、本当にありがとう。ごめん。

 どうか、彼女には最高の男性がついてくれることを祈る。

 

  あと、あれだな、俺は自分をしっかり持って、追われる側の人間にもなれたらいいなって。誰かに媚びへつらうような恋はあんまりしたくない。

 哀れでしょうがないからね。

 求めすぎると、自分に嘘をつくことになるかもしれないから。ありのままの自分を出していこうよ。そこに悪い一面があったとしても、自分を貫かないと意味はない。

 保守的にいても意味がない。ありのままで。